桜楓会

練馬支部主催秋の講演会報告

  • 練馬支部
後藤祥子先生

後藤祥子先生

 10月13日(土)、練馬支部主催の秋の講演会が練馬区役所地下の多目的会議室にてありました。参加者は130人でした。演題は、「源氏物語のおもしろさ」。ムラサキシキブの花を生けた演壇に立たれた元学長の後藤祥子先生のお姿に会場の皆様の視線がくぎづけになりました。
 待ちに待った後藤先生の講演会の実現に、晴れ晴れとした中山瑞穂支部長(新15回生)の挨拶と先生のご紹介がありました。ご案内のチラシは、司会の藤井和子氏(新19回生)のデザインで、心が揺さぶられました。
 「後藤源氏」は本部や山梨など他支部のご講演でも伺っておりましたが、今日はどういうお話なのか、わくわくしておりました。「ハーバードの女子学生は源氏が嫌い」という第一声には、世界に絶賛されていると考えていた私はいかに打ちのめされたことか。内裏の絵図の場面は、あたかも源氏と女御のきぬずれの音が聞こえてきそうで、不義、密通を位によって物語に託した方法は、平安時代の帝位と摂関政治の政略的争いの中での力関係を世に知らしめるかのようであり、平安時代の文学でありながら、第2次大戦下では弾圧により原文の翻訳の内容が省かれてしまうというお話でした。私たちの学生時代も少なからず影響はあったように思います。当時、「後藤源氏」が受講できていたらと回顧いたします。ことに文学や芸術は時代の体制批判もあると思いますが、表現の自由の中で知ることができる現代は幸せなことだと思います。
 1時間30分に凝縮されたご講演は、改めて源氏物語のおもしろさに心身が熱くなり、しばし陶酔しておりました。大変ありがとうございました。区内外からご聴講くださった皆様もありがとうございました。
(報告:昭和39年卒 新14国 野田洋子、写真提供:昭和50年卒 新25国 前田洋子)

紫を基調としたポスター

ムラサキシキブの花。支部会員が用意しました

会場を埋め尽くす来場者たち

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