~会員の広場~
「オペラと私」 新24食管 原 留美子
今年もオペラシーズンに入りました。私の所属する広島オペラアンサンブルの今年の演目は、モーツアルトの「魔笛」です。私は、夜の女王の侍女役です。何故、専門の栄養士ではなく、オペラなのかと思われるでしょう。
私は、幼少期より、音楽好きの母の影響で、ピアノや声楽を学んできました。私の伴奏で母や妹と歌ったものです。音大に進もうと思った時もありましたが、結局、音大への道は、諦めてしまいました。とはいえ、音楽への思いは、ずっと心に残っていました。
結婚して広島に参り、子育ても一段落した頃、音楽への思いが強くなり、ピアノや歌のレッスンを再開しました。初めての声楽レッスンで、目標を聞かれた時、思わず「オペラの舞台で歌いたい」と言っていました。先生にその為には、それだけの努力が必要と言われ、目標へ向かっての練習を始めたのです。地域のコーラス団の指導者が、オペラアンサンブルの音楽監督だった幸運にも恵まれ、暫くして合唱でオペラの舞台に立つようになりました。そして、20年ほど前、なんと「フィガロの結婚」のケルビーノ役を頂いたのです。無我夢中でしたが、ケルビーノに成り切り、演じることが出来ました。それ以来、色々な演目の役を演じて参りました。勿論、専門に勉強された方達と同じ舞台に立つのですから、人一倍の努力をしました。しかし、一度、大勢の観客を前に、ライトを浴びて、自分ではない物語の人物を、歌い演じるという経験を味わうと、どんなに大変でも、辞められません。新たな役を頂くと、また俄然、挑戦したくなるのです。
こうして、思わず口にした夢でしたが、叶えることが出来たのです。孫六人のおばあちゃんですが、これからも正しい身体の使い方、歌い方の学びを続け、更なる上達を目指していこうと思います。
「歌」は、私の人生の友なのです。
広島支部 折り鶴~会員の広場~2022.12
- 広島支部
「ねじの回転」出演
「魔笛」(右から2番目)共演者と