桜楓会

神戸支部主催公開講演会 報告

  • 神戸支部

公開講演会「長い時をかけて、幸せの記憶を刻む絵本たち」を開催して

 6月29日(土)、講師派遣事業を利用して、児童学科教授 石井光恵先生にお越しいただき、神戸支部主催公開講演会「長い時をかけて、幸せの記憶を刻む絵本たち」を開催しました。神戸市は図書館や学校で絵本の読み聞かせボランティア活動が盛んな地で、一般の方々にもご参加いただき、旧制43回生から新制44回生までの会員を含め、総勢52人が参加しました。
 先生には、冒頭で日本女子大学の近況もお伝えいただき、スクリーンに大きく映し出される新図書館や成瀬記念講堂の様子に、会員は驚きと共に母校への懐旧の情で満たされました。
 講演では、絵本の楽しさ、奥深さ、その魅力を研究者の視点を交えお話しいただきました。演題にある「幸せの記憶を刻む絵本」は、読み手の絵本にまつわる幸せの記憶を、誰かと分かち合いたいと思わせる力を持ち、世代を越え脈々と読み継がれてきた絵本です。紹介いただいたミリオンセラーは、我々に親しみある絵本ばかりでした。絵本と共にある心の充足感は我々の宝ですが、その宝を伝え手渡していくこともまた、幸福なことです。
 先生には、大人になって楽しめる絵本の魅力もお伝えいただきました。『としょかんライオン』という一冊を読み聞かせいただき、参加者は、先生の柔らかなお声に導かれ、絵本の持つ世界感に誘われるがまま、ハラハラドキドキ、心の躍動を楽しみました。
 絵本には、子どもの自己肯定感、情緒と想像力、心を育てる力があります。先生は、「人は現実の世界だけでは生きていけない。日常の現実と非日常の虚構が交差する地点の経験が必要なのだ」と語られ、生き抜く力を育む「絵本の力」について言及されました。今日、子どもをとりまく問題は、時に深刻で複雑多岐にわたり、ある種のもどかしさを感じます。大切なことは子どもと向き合い、心を育て、人を育てることですが、そこに「絵本の持つ力」を信じたいと思いました。

 受講後、一般の方から「15年間保育園で読み聞かせを行ってきました。講演を拝聴して、活動への誇りと自信をいただきました!」とお伝えいただき、また、アンケートには会員から「先生、母校からお越しいただき有難うございました!誠に素晴らしい講演でございました!」と寄せられました。この言葉に本日の講演会のすべてが集約されていることと思います。
 講演後には、先生を囲み茶話会を開催いたしました。暖かい、気さくなお人柄に、同窓の仲間としてお話しさせていただき、誠に嬉しく有難く思いました。神戸支部が石井先生とご縁をいただけましたことを心より光栄に思いました。
(昭和57年卒 新32教 高橋まや子)

石井光恵先生講演会の様子

校歌斉唱

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