桜楓会

北多摩支部 会合報告

  • 北多摩支部

支部会員のお話②「病院の栄養指導室で思うこと」

 北多摩支部は10月26日(土)に2019年度2回目の会合を行いました。今年度の支部企画は「支部会員のお話を伺う」です。5月の1回目に続き今回は鈴木円香さん(新64食管)からお話を伺いました。
 鈴木さんは大学卒業後、管理栄養士として、高度急性期・急性期医療を提供する大学病院にお勤めされています。たくさんの入院患者の栄養管理と入院患者や外来患者に対する栄養指導等を担当し、数多くの食事指導を実施してきたとのことで、その体験から感じたことをお話しくださいました。
 医師の指示のもとに栄養指導を受ける方々は疾患もさまざまで、乳幼児から高齢と年齢層も幅広いそうです。栄養指導でわかるのは食事の様子だけではないとのことで、たとえば家族関係も見えてくるようです。家族間にある程度の協力関係があり、患者の病気や体調の様子が共有できている場合には食事療法も長続きするそうです。一方小児の栄養指導では子ども達の食環境まで考えることが必要とのことです。小児では肥満の指導が1番多いそうですが、その指導は親の状況や生活時間・仕事の様子を把握した上でできることを一緒に考えることから始め、食事内容や食環境、生活環境が整っていくように、子ども自身でもできることをアドバイスしているそうです。特に小児の指導では、現代社会の問題にもなっている「偏食」「不規則な食生活」「孤食」「ゲーム等による活動量不足」なども垣間見えるとのお話はたいへん衝撃的でした。
患者さんが食事療法に向き合う心の持ち方についてもお話くださいました。たとえば3食のうち1食で宅配食を使ってみるとか、たまにご褒美で好きなものも食べられる自由を取り入れてみる、また医師・看護師・管理栄養士・家族・友人など自分のサポーターをしてくれる人々と関わり助力を得るようにする。目標を持って頑張る(たとえば「孫と休日を楽しむために平日の食事療法を頑張る」など)。趣味を持つ(「自宅にいるときは食事療法を頑張りご褒美に旅行へ行く」「ポケモンGoをしながらお散歩する」など)。このようなことが食事療法に前向きに取り組むことができるポイントとして重要とのことでした。
 鈴木さんのお話は、改めて自分や家族の食生活を見直すきっかけになりました。食事療法を特に必要としない人でもこのようなポイントに気をつけて、日々の生活に取り入れれば長く健康に過ごせるのではないかと感じました。
 今年度二人の支部会員からお話を伺いましたが、どちらもたいへん興味深く勉強になりました。社会で力を発揮し活躍なさっているお姿にも刺激を受けました。今後もこのような機会をつくり、支部会員同士知識を深め高めあっていけたらと思っております。
(支部長 昭和60年卒 新35理II 千葉規子)

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