桜楓会

江東支部 秋の研修会を終えて

  • 江東支部

 本年度の江東支部の研修会のテーマは「日本の伝統芸能」。年2回開催される研修会の1回目では「歌舞伎」を学び、2回目の秋の研修会(11月10日開催)では、江東区文化センター内研修室にて、「文楽」について学びました。 
 今回は講師派遣事業を利用させていただき、日本女子大学文学部日本文学科教授・生涯学習センター所長 坂本清恵先生をお迎えし、「文楽の楽しみ方―登場人物の言葉から」と題してお話しいただきました。
 研修の前半は人形浄瑠璃の歴史について、後半は坂本先生のご専門でもある古典芸能の台詞のアクセント(訛り)や二つの語が連接するときに音が変化する連声(れんじょう)について、パワポや資料、録画音声を用いて詳しく解説していただきました。
 浄瑠璃は15世紀末に「平家物語」の語りから発生し、16世紀中期に三味線が、16世紀末には操り人形が加わることで、今日のような人形浄瑠璃の形が作られていったそうです。その後、19世紀後半には、現在の大阪中央区「御霊文楽座」が唯一の人形劇場として使われたことから、人形浄瑠璃を指して「文楽」と呼ばれるようになったそうです。
 武士訛・姫訛・蜑訛(あまなまり)と言われる台詞の中のアクセント(訛り)や連声は、作品の時代背景や登場人物の役柄の理解を深める重要な手がかりになることを学び、今後、舞台を鑑賞する際には、台詞(せりふ)回しにも注目したいと思いました。
 当日は、20代から80代までの幅広い年齢の支部会員と、他支部や一般参加者を含め、25人の方々がご参集くださいました。まさに生涯学習を実践している学びの場となるひと時でした。また、天皇陛下御即位のパレードが執り行われたおめでたい日と重なり、感慨深い一日となりました。
 講師をお引き受けくださった坂本清恵先生、心から感謝申し上げます。
(副支部長 新31児 井口祥子)

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